はっしんちふす
発疹チフス
症状と特徴
多くは1〜2週間の潜伏期後に、突然の高熱、強い頭痛、悪寒、倦怠感、筋肉痛、背部痛などが現れます。発熱後4〜7日頃に、顔・手のひら・足の裏を比較的避けて体幹から四肢へ広がる発疹が出ることがあります。重症では意識障害、せん妄、肺炎、循環不全などを起こすことがあります。治療後は通常改善しますが、過去の感染後に菌が再活性化して、より軽症の再発型(ブリル・ジンサー病)を起こすことがあります。
原因
発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)を保有するコロモジラミを介して感染します。シラミの糞便やつぶれたシラミに含まれる病原体が、掻き傷、刺し口、粘膜などから入ることで感染します。汚染された塵の吸入が関与する可能性もあります。衛生状態の悪化、避難所、過密環境などでは集団発生の危険があります。日本でもコロモジラミが完全に存在しないわけではありませんが、国内での発疹チフスは極めてまれです。
治療
第一選択はドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系抗菌薬です。重症例では入院し、呼吸・循環管理などの支持療法を行います。同時に、患者の身体・衣類・寝具の洗浄や殺虫処置、接触者を含むシラミ対策を行い、感染拡大を防ぎます。妊娠中や小児などでは使用薬を個別に選択します。