おうかくまくへるにあ
横隔膜ヘルニア
症状と特徴
横隔膜の欠損部や裂け目から、胃、腸、肝臓などの腹部臓器が胸腔内へ入り込む状態です。先天性横隔膜ヘルニアでは、肺の発育不全や肺高血圧を伴うことがあり、新生児期に重い呼吸障害、チアノーゼ、陥凹した腹部などで発見されます。成人や後天性の場合は、胸痛、腹痛、息切れ、嘔吐、腸閉塞症状などを生じることがありますが、無症状で発見される場合もあります。
原因
多くは胎児期の横隔膜形成異常による先天性です。先天性横隔膜ヘルニアの発生頻度はおよそ出生2,500~4,000人に1人とされます。後天性のものは、交通事故などの鈍的外傷、刺創、胸腹部手術などによる横隔膜損傷で生じることがあります。
治療
先天性横隔膜ヘルニアでは、出生後ただちに呼吸・循環を安定させる集中治療を行い、状態が安定してから横隔膜を修復して腹部臓器を戻す手術を行うのが基本です。重症例では人工呼吸管理、肺高血圧に対する治療、体外式膜型人工肺(ECMO)が必要となることがあります。手術は開腹、開胸、胸腔鏡・腹腔鏡などから、病状や施設の経験に応じて選択されます。外傷性・成人の横隔膜ヘルニアも、嵌頓、臓器虚血、呼吸障害などがあれば緊急手術の対象です。