そうきょくせいしょうがい
双極性障害
症状と特徴
双極症(双極性障害)は、抑うつエピソードと、気分の異常な高揚または易刺激性、活動性・エネルギーの増加を特徴とする躁病または軽躁病エピソードを繰り返す病気です。エピソードの間に症状が目立たない時期がある人もいますが、症状が残る場合もあります。双極I型は躁病エピソードを少なくとも1回経験するもの、双極II型は軽躁病エピソードと大うつ病エピソードを経験し、躁病エピソードはないものです。気分循環症は、軽躁症状と抑うつ症状が長期に変動する状態で、成人では通常2年以上続くことが診断の目安です。躁状態では多弁、睡眠欲求の低下、考えが次々浮かぶ、活動性増加、誇大的な考え、浪費や性行動などの衝動的・危険な行動、怒りっぽさがみられることがあります。抑うつ状態では気分の落ち込み、興味・意欲の低下、不眠または過眠、食欲・体重の変化、集中困難、自責感、自殺念慮などがみられます。
原因
遺伝的要因が比較的強く関与すると考えられていますが、単一の原因で起こる病気ではありません。睡眠不足、生活リズムの乱れ、強いストレス、産後、季節変化、アルコールや薬物、抗うつ薬を含む一部の薬剤などが、症状の誘因・増悪因子となることがあります。
治療
治療の中心は気分安定薬や非定型抗精神病薬です。リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなどの気分安定薬、および病相に応じた非定型抗精神病薬が用いられます。急性の躁状態、双極性うつ病、再発予防で使用する薬は異なるため、精神科医が個別に選択します。抗うつ薬は、双極症では躁転や気分の不安定化を招くおそれがあるため、単独投与は原則として避けられ、使用する場合も気分安定薬等との併用を含め慎重に判断されます。薬物療法に加え、心理教育、規則的な睡眠・生活リズムの維持、飲酒・薬物使用の回避、再発の早期サインの把握、家族を含む支援が重要です。再発を繰り返すことはありますが、継続治療により症状と再発リスクを抑え、生活を維持できる人は多くいます。