こうもうしょう
咬耗症
症状と特徴
前歯の先端や奥歯の噛み合う面が平らにすり減る状態です。程度の差はあっても歯の咬耗は多くの人にみられます。初期には自覚症状がないことが多い一方、象牙質まで及ぶと黄色調の部分が現れ、冷温刺激や歯ブラシでしみることがあります。進行すると歯が短くなる、噛み合わせが変化する、歯が欠ける・割れる、詰め物や被せ物が壊れる、歯髄の炎症や壊死につながることがあります。
原因
長年の咀嚼による生理的な摩耗に加え、睡眠中または覚醒時の歯ぎしり・食いしばり、硬い物を頻繁に噛む習慣、噛み合わせの問題、歯の欠損による咬合の変化などが進行に関与します。ストレス、睡眠障害、飲酒、喫煙、一部の薬剤などは睡眠時ブラキシズムと関連することがあります。年齢とともに増える傾向はありますが、性別のみで明確に決まるものではありません。
治療
痛みがなく、進行が少ない場合は定期的に経過を観察します。歯ぎしり・食いしばりが疑われる場合は、歯を保護するナイトガード(マウスピース)を作製することがあります。ナイトガードは歯の摩耗や破折を減らす目的で用いられますが、歯ぎしりそのものを必ず止めるものではありません。日中の食いしばりに気づき、上下の歯を離す習慣づくり、睡眠・ストレスへの対策も行います。欠損や知覚過敏にはフッ化物・知覚過敏抑制材、レジン修復などを行い、大きくすり減った場合は被せ物や咬合再構成を検討します。歯を失った場合のブリッジ、義歯、インプラントは、残存歯・骨・歯周組織・全身状態を評価して選択します。