ひるしゅすぷるんぐびょう
ヒルシュスプルング病
症状と特徴
腸管の蠕動運動を担う神経節細胞が生まれつき欠如するため、腸の一部が十分に弛緩できず、便が通りにくくなる先天性疾患です。生後24〜48時間以内に胎便が出ない、腹部膨満、嘔吐、便秘、哺乳不良などがみられます。年長児では頑固な便秘や腹部膨満として見つかることもあります。腸炎を起こすと、発熱、腹部膨満、下痢、血便、ぐったりするなどの症状が出て重症化することがあります。
原因
胎児期に、神経節細胞のもとになる細胞が消化管に移動・分布する過程に異常が起こり、主に直腸から連続する腸管に神経節細胞が欠如します。遺伝学的要因が関係することがあり、ダウン症などの先天性疾患を伴う場合もあります。
治療
腸閉塞や腸炎への初期対応として、入院のうえ腸管洗浄、輸液、必要に応じた抗菌薬などを行います。根治治療は、神経節細胞のない腸管を切除または機能的にバイパスし、正常な神経節細胞をもつ腸を肛門近くまでつなぐプルスルー手術です。病変が短い場合は一期的に経肛門手術や腹腔鏡補助手術を行えることがありますが、全身状態や腸炎、病変範囲によっては一時的人工肛門が必要です。術後も便秘、便失禁、腸炎などの経過観察が必要です。