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かいりせいしょうがい

解離性障害

症状と特徴

強いストレスや心的外傷などに関連して、記憶、自己意識、感覚、運動、行動の連続性が一時的または持続的に損なわれる状態です。主な症状には、特定の出来事や期間の記憶が思い出せない解離性健忘、混乱や健忘を伴って自宅・職場などから離れて移動する解離性遁走、反応や運動が著しく低下して外部刺激への反応が乏しくなる解離性昏迷、自己の状態や行動の主体感が不連続になる解離性同一症などがあります。解離性健忘は一般的なもの忘れや認知症とは異なり、自伝的記憶の一部が抜け落ちることが特徴です。解離性同一症では、自己状態の変化、記憶の抜け、現実感の低下などがみられることがあります。人格が複数あるように見えることだけで診断されるものではなく、幻覚は解離性同一症に必須の症状ではありません。外見上は苦痛が目立たなくても、本人は混乱、不安、抑うつ、疲弊を抱えていることがあります。

原因

明確な単一原因はありません。幼少期を含む心的外傷、虐待やネグレクト、強いストレス、対人関係上の困難などが関連することがありますが、すべての人にこのような背景があるわけではありません。症状の評価では、うつ病、不安症、心的外傷後ストレス症(PTSD)、精神症、てんかんなどの神経疾患、睡眠障害、薬物やアルコールの影響も確認します。

治療

安全の確保と、身体疾患・神経疾患・他の精神疾患の評価を行ったうえで、精神科医・心理職による支持的でトラウマに配慮した精神療法を中心に治療します。解離性同一症など症状が複雑な場合は、まず生活の安定化、危機対応、感情調整や解離への対処を進め、その後に必要に応じてトラウマ体験を扱う段階的治療が行われます。解離症状そのものに特効薬はありませんが、抑うつ、不安、不眠、PTSD症状などを併存する場合には、抗うつ薬などを用いることがあります。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は依存や記憶への影響に注意し、必要な場合に限って慎重に使用します。家族や周囲は症状を仮病・演技と決めつけず、本人を責めずに安全を支え、治療継続を支援します。自傷・自殺のおそれ、失踪、意識障害がある場合は緊急の医療相談が必要です。

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