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てんかん

てんかん

症状と特徴

てんかんは、脳の神経細胞の一時的な過剰な電気活動によって、発作を繰り返す脳の病気です。発作は焦点起始発作(以前の部分発作)と全般起始発作などに分類されます。焦点起始発作では、からだの片側の一部がけいれんする、手から腕などへけいれんが広がる(ジャクソン行進)、しびれ・異常感覚、腹部不快感、動悸などが起こることがあります。意識が保たれる発作と、意識や反応性が低下し、口をもぐもぐさせる、衣服をいじるなどの自動症を伴う発作があります。発作後に一時的な麻痺(トッド麻痺)がみられることがあります。

全般起始発作では、発作の開始時から両側の脳が関与し、意識を失うことがあります。数秒から十数秒、動作が止まり一点を見つめるようになる欠神発作、筋肉が一瞬ぴくつくミオクロニー発作、からだが突っ張る強直発作、手足を反復して曲げ伸ばしする間代発作、強直相に続いて間代相が起こる強直間代発作などがあります。強直間代発作は通常1~3分程度で終わりますが、発作後には眠気、混乱、頭痛、筋肉痛などがみられることがあります。

5分以上続くけいれん発作、発作が繰り返され意識が回復しない状態、けが・呼吸障害を伴う場合はてんかん重積状態のおそれがあり、救急要請が必要です。発作中は周囲の危険物を除き、可能なら横向きにして呼吸を確保し、口に物や指を入れたり、強く押さえつけたりしません。

原因

てんかんは大脳の神経細胞の過剰な電気的興奮によって起こります。遺伝的要因が関係するてんかん、脳の構造異常・脳卒中頭部外傷脳腫瘍脳炎髄膜炎などの感染症・出生前後の脳障害・代謝性または免疫性の病気に関連するてんかんなどがあります。一方で、検査をしても明らかな原因を特定できないことも少なくありません。

診断では、発作を目撃した人からの情報や動画、発作の前後の状態、既往歴、脳波検査、MRIなどを総合して判断します。失神、不整脈、低血糖、睡眠障害、心因性非てんかん発作などとの区別も重要です。現在は、脳に病変があるかだけで「真性」「症候性」と二分するより、発作型、てんかん症候群、原因を総合して分類します。

治療

治療の中心は抗てんかん発作薬(抗発作薬)です。初回の非誘発発作後に直ちに治療を始めるかは、MRI・脳波の所見、再発リスク、発作による危険性、本人の生活状況などを踏まえて個別に判断します。てんかんと診断された場合は、発作型に適した薬を原則として単剤から開始し、十分な効果が得られない場合に薬の変更・追加を検討します。薬の自己中断は発作再発や重積状態につながるため避けます。

薬で発作が抑えられない薬剤抵抗性てんかんでは、てんかん外科治療、迷走神経刺激療法、脳深部刺激療法、反応性神経刺激療法などが適応となる場合があります。食事療法(ケトン食療法など)が検討されることもあります。

規則正しい睡眠、服薬の継続、過度の飲酒や睡眠不足の回避が重要です。光刺激など個人ごとの誘因が判明している場合は避けます。運転、就労、妊娠・出産に関しては個別の注意や制度上の条件があるため、主治医に相談します。発作が長期間なく、脳波なども含めて再発リスクが低いと判断される場合には、通常は少なくとも2年以上の発作消失を一つの目安として、医師の管理下で時間をかけて減薬・中止を検討します。

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脳卒中

のうそっちゅう

脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳内の血管が破れる脳出血、脳動脈瘤などの破裂によるくも膜下出血を含む脳血管疾患です。顔のゆがみ、片側の手足や顔の麻痺・しびれ、言葉が出ない・ろれつが回らない、急な視野

頭部外傷

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転落・転倒、交通事故、スポーツ中の衝突などで頭部に外力が加わり、頭皮の傷、頭蓋骨骨折、脳震盪、脳挫傷、頭蓋内出血などを起こすことがあります。意識障害、頭痛、嘔吐、けいれん、麻痺、瞳孔の左右差などは重症

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のうしゅよう

頭蓋内に発生する腫瘍を広く頭蓋内腫瘍といい、脳実質以外に髄膜、下垂体、脳神経などから生じる腫瘍も含まれます。腫瘍の部位と大きさにより、頭痛、吐き気・嘔吐、けいれん発作、手足の麻痺やしびれ、視野・視力障

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脳に炎症が起こる病気で、発熱、だるさ、頭痛など、かぜに似た症状で始まることがあります。その後、高熱、頭痛、けいれん、意識障害、行動や人格の変化、麻痺などを起こすことがあります。生命にかかわったり、認知

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不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

睡眠障害

すいみんしょうがい

睡眠の量、質、タイミング、睡眠中の呼吸や行動の異常により、日中の眠気、疲労、集中力低下、気分の不調、生活上の支障が起こる状態です。不眠症、過眠症、ナルコレプシー、概日リズム睡眠・覚醒障害、周期性四肢運

この病気を参照している病気

片頭痛

へんずつう

片側性が多いものの両側に起こることもある、ズキンズキンと拍動するような中等度~重度の頭痛です。日常的な動作で悪化し、吐き気、嘔吐、光・音・においへの過敏を伴うことがあります。発作の頻度は個人差が大きく

もやもや病

もやもやびょう

脳の基底部にある内頸動脈や前・中大脳動脈などが細くなったり詰まったりし、その代わりに細い側副血行路が発達します。脳血管撮影では、この側副血行路が「もやもや」とした血管網として見えるため、もやもや病(ウ

脳動静脈奇形

のうどうじょうみゃくきけい

脳内出血やくも膜下出血を起こすと、突然の激しい頭痛、吐き気・嘔吐、けいれん発作、意識障害、片側麻痺、感覚障害、失語症などが現れます。出血を起こさず、けいれん、頭痛、局所神経症状を契機に見つかる場合や、

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日本脳炎

にほんのうえん

感染しても多くは無症状ですが、まれに発症します。通常は感染後5~15日程度で、発熱、頭痛、嘔吐などが現れ、重症化すると意識障害、けいれん、筋肉の硬直、不随意運動、麻痺などの脳炎症状を起こします。死亡す

単純ヘルペス脳炎

たんじゅんへるぺすのうえん

成人に多くみられますが、新生児にも起こります。発熱や頭痛などから始まり、高熱、けいれん、意識混濁、記憶障害、異常行動、人格・精神症状などがみられます。側頭葉・辺縁系が障害されやすく、回復後も記憶障害、

頭部外傷後遺症

とうぶがいしょうこういしょう

頭部外傷後、運動麻痺、感覚障害、視野障害、意識障害、てんかんのほか、注意力、記憶力、判断力、遂行機能の低下、コミュニケーション障害、感情・行動の変化などの高次脳機能障害が起こることがあります。損傷部位

脳膿瘍

のうのうよう

脳内に細菌などが感染して炎症・化膿を起こし、膿のたまり(膿瘍)ができる病気です。発熱、持続・増悪する頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害、けいれん、片側の手足の麻痺、感覚障害、失語などが起こります。頭蓋内圧が

嗅覚障害

きゅうかくしょうがい

においを感じにくい、まったく感じない、においが以前と違って感じる、実際にはないにおいを感じるなどの状態です。嗅覚脱失、嗅覚低下、嗅覚過敏、異嗅症(においの質の変化)、幻嗅などがあります。嗅覚低下は食べ

失語症による舌のもつれ

失語症は、話す、聞いて理解する、読む、書くといった言語機能の障害です。言葉が出ない、言い間違いが増える、相手の話を理解できない、文字を読めない・書けないなどが起こります。発音器官の麻痺による構音障害と

舌咽神経痛

ぜついんしんけいつう

舌の付け根、扁桃周囲、のどの奥、耳の奥などに、片側性で突然起こる、電気が走るような非常に強い痛みが特徴です。痛みは数秒から数分程度で、繰り返すことがあります。飲み込み、咀嚼、会話、咳、くしゃみ、あくび

薬剤性肺炎

やくざいせいはいえん

乾いた咳、息切れ・呼吸困難、発熱などがみられます。別の病気の治療のために使用した薬剤や、一部の健康食品・サプリメントによって起こる肺障害です。多くの薬剤で起こり得ますが、抗がん薬、免疫チェックポイント

薬剤性肝障害(薬物性肝障害)

やくざいせいかんしょうがい(やくぶつせいかんしょうがい)

医薬品、一般用医薬品、漢方薬、健康食品・サプリメントなどの使用後に、倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、発熱、発疹、黄疸、褐色尿、皮膚のかゆみなどが現れることがあります。症状がなく、血液検査でAST、ALT

有鉤条虫症

ゆうこうじょうちゅうしょう

腸管内の有鉤条虫感染は無症状のことが多く、腹部不快感、腹痛、下痢、便中への片節の排出などがみられることがあります。一方、虫卵を摂取して起こる嚢虫症では、筋肉、皮下、眼、脳などに嚢虫が形成され、脳病変で

インスリノーマ

いんすりのーま

空腹時や運動時、食事の間隔が空いたときに低血糖症状が現れやすく、疲労感、動悸、発汗、手のふるえ、空腹感、不安、集中困難、異常行動などがみられます。重症では意識障害、けいれん、昏睡に至り、てんかんや精神

低カルシウム血症

ていカルシウムけっしょう

血中カルシウム、特にイオン化カルシウムが低下すると、口の周囲や手足のしびれ、筋肉のこわばり、テタニー(筋けいれん)、筋力低下などが起こります。重症では全身けいれん、喉頭けいれんによる呼吸障害、不整脈、

本態性振戦

ほんたいせいしんせん

明らかな他の神経疾患がないにもかかわらず、主に手や腕、頭部、声などに振戦が起こる病気です。姿勢を保つときや、手を伸ばす、字を書く、食器を使うなどの動作時に目立つことが多く、緊張、疲労、睡眠不足、カフェ

ミトコンドリア脳筋症

ミトコンドリアのうきんしょう

ミトコンドリア脳筋症は、エネルギーを多く必要とする脳、骨格筋、心筋、眼、耳、内分泌臓器などに症状が出うる疾患群です。疲れやすさ、筋力低下、運動不耐容、低身長、けいれん、発達面の問題、頭痛、難聴、糖尿病

顆粒球減少症

かりゅうきゅうげんしょうしょう

白血球のうち、特に細菌や真菌に対する防御を担う好中球が減少した状態を指すことが多く、好中球減少症ともよばれます。感染しやすくなり、発熱、悪寒、のどの痛み、口内炎、歯肉炎、肺炎、皮膚感染症などが起こりま

薬物アレルギー

やくぶつあれるぎー

全身の赤い発疹、じんましん、かゆみ、湿疹がみられます。日光に当たる部位に発疹が出る光線過敏型や、同じ薬を使用するたびに同じ場所に発疹が出る固定薬疹もあります。服用・使用直後に起こる場合も、数日から数週

スティーブンス・ジョンソン症候群

すてぃーぶんす・じょんそんしょうこうぐん

発熱、強いだるさ、のどの痛みなどに続き、赤い発疹、標的状の発疹、水疱、皮膚のただれが急速に広がります。目、口、鼻、陰部などの粘膜にびらんや痛みが起こることが特徴です。結膜炎、目の痛み、視力低下を伴うこ

薬剤性過敏症症候群

やくざいせいかびんしょうしょうこうぐん

薬の開始後、通常は2〜8週間程度たってから、発熱、広範囲の発疹、顔面のむくみ、リンパ節の腫れが現れます。肝障害をはじめ、腎臓、肺、心臓、血液などの臓器障害を伴うことがあります。原因薬を中止した後も症状

解離性障害

かいりせいしょうがい

強いストレスや心的外傷などに関連して、記憶、自己意識、感覚、運動、行動の連続性が一時的または持続的に損なわれる状態です。主な症状には、特定の出来事や期間の記憶が思い出せない解離性健忘、混乱や健忘を伴っ

離人症性障害

りじんしょうせいしょうがい

自分の身体、感情、考え、行動が自分のものではないように感じる離人感や、周囲が夢・映画・霧の中のようで現実味がないと感じる現実感消失が持続または反復する状態です。本人は通常、「この感覚は現実そのものでは

器質精神病

きしつせいしんびょう

「器質精神病」は現在ではやや古い包括的な用語で、脳の病気・損傷・変性などに関連して生じる精神症状や認知機能障害を指します。うつ状態、不安、無気力、性格・行動の変化、幻覚・妄想、せん妄、認知症状などが現

脳性麻痺

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ウェスト症候群

しょうこうぐん

ウェスト症候群は乳児てんかん性スパズム症候群とも呼ばれ、乳児てんかん性スパズムが反復して起こる病気です。多くは生後3~12か月頃に発症します。眠りに入る時や目覚めた直後に、頭部を前に倒す、両腕を急に開

レノックス・ガストー症候群

しょうこうぐん

レノックス・ガストー症候群は、通常2~8歳頃に発症する重症の発達性・てんかん性脳症です。突然力が抜けて倒れる脱力発作、体を硬くする強直発作、非定型欠神発作、けいれん発作など複数の発作型がみられます。特

知的障害

ちてきしょうがい

知的障害は、発達期に生じる知的機能と適応機能の両方の困難を特徴とします。理解、学習、推理、問題解決、ことばの使用などに困難がみられ、さらに食事、更衣、排泄、金銭管理、対人関係、安全の判断、学校や社会生

単純ヘルペス脳症

たんじゅんへるぺすのうしょう

単純ヘルペス脳症は、発熱、頭痛、意識障害、けいれん、異常行動、記憶障害、言語障害、構音障害、片麻痺などを起こしうる急性脳炎です。小児から成人まで発症し、新生児では全身感染の一部として脳炎を起こすことが

頭蓋性二分脊椎

とうがいせいにぶんせきつい

脊髄や髄膜が背骨の外へ突出する開放性二分脊椎(髄膜瘤・脊髄髄膜瘤)では、病変より下の部位、特に下肢の運動麻痺、感覚障害、足の変形などがみられます。神経因性膀胱・直腸により、尿が出にくい、尿失禁、尿路感

憤怒痙攣

ふんぬけいれん

現在は一般に「憤怒けいれん」よりも「泣き入りひきつけ(息こらえ発作、breath-holding spells)」と呼ばれます。怒り、痛み、驚きなどを契機に激しく泣いた後、呼吸が止まったようになり、顔

熱性痙攣

ねっせいけいれん

主に生後6か月〜5歳の子どもで、発熱に伴って起こるけいれんです。全身がこわばる、手足が左右対称にガクガクする、目が上を向く、意識を失うなどの症状がみられます。多くは数分以内に自然に止まり、後遺症を残さ

中毒疹

ちゅうどくしん

中毒疹は、薬剤、感染症、食物や体内で生じた物質などに関連して起こる発疹を指すことがある古い総称です。現在は、薬剤が原因の発疹は主に薬疹(薬物性発疹)として扱われます。赤い斑点・丘疹、じんましん様の発疹

スタージ・ウェーバー症候群

すたーじ・うぇーばーしょうこうぐん

顔面、特に額・上まぶた・三叉神経第1枝領域に毛細血管奇形(赤あざ)がある人の一部で、脳の軟膜血管奇形を伴う病気です。乳幼児期からてんかん発作、片側の手足の動かしにくさ、発達や学習の課題などがみられるこ

注意欠如・多動症(ADHD)

ちゅういけつじょ・たどうしょう

不注意、多動性、衝動性が、年齢や発達段階に比べて強く、家庭・学校など複数の場面で持続し、生活や学習、人間関係に支障を生じる神経発達症です。不注意では、課題や遊びに集中し続けにくい、忘れ物・なくし物が多