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かんりょうせいしゅよう

肝良性腫瘍

症状と特徴

肝臓に生じる良性または良性に近い病変の総称です。多くは無症状で、健診の超音波検査やCT、MRIなどで偶然見つかります。大きくなると腹部膨満感、右上腹部痛、腹部のしこり、胃・十二指腸の圧迫による食欲低下などを生じることがあります。代表的な病変には肝血管腫、肝細胞腺腫、限局性結節性過形成(FNH)、肝嚢胞などがあります。肝血管腫は最も多い良性肝腫瘍で、通常は無症状です。肝細胞腺腫は出血・破裂や、病型によっては悪性化のリスクがあります。FNHは通常、悪性化せず治療を要しません。単純性肝嚢胞の多くは無症状ですが、巨大化、出血、感染、破裂などを起こすことがあります。なお、類上皮血管内皮腫は一般に良性腫瘍ではなく、悪性度が低い場合もあるものの悪性腫瘍として扱われます。

原因

病変ごとに原因は異なります。肝血管腫やFNH、単純性肝嚢胞の多くは明確な原因が分からず、先天的・発生学的な要因が関与すると考えられています。肝細胞腺腫は女性ホルモン、経口避妊薬、アナボリックステロイド、妊娠、肥満・代謝異常、一部の遺伝的要因などと関連します。寄生虫性肝嚢胞は、主にエキノコックスなどの寄生虫感染によって起こり、地域や渡航歴、動物との接触歴が診断の参考になります。胆管嚢胞性腫瘍などには悪性化の可能性がある病変が含まれるため、単純な良性腫瘍と区別して評価します。

治療

典型的な画像所見を示し、症状がない肝血管腫、FNH、単純性肝嚢胞の多くは治療を必要とせず、病変の種類・大きさ・診断の確実性に応じて経過観察します。肝血管腫は、痛みなどの症状、急速な増大、診断不確実性、非常にまれな破裂や凝固異常などがある場合に、切除、核出術、または血管塞栓術などを検討します。放射線照射やエタノール注入は、通常の肝血管腫に対する標準治療ではありません。肝細胞腺腫では、原因となりうるホルモン薬・アナボリックステロイドの中止、体重管理を行い、男性、βカテニン活性化型が疑われる場合、増大する場合、または一般に5cm以上で持続する病変では切除が検討されます。症候性または巨大な単純性肝嚢胞には、穿刺排液と硬化療法、腹腔鏡下開窓術などを行います。寄生虫性肝嚢胞では、専門施設で抗寄生虫薬と経皮的・外科的治療を組み合わせます。画像で肝細胞がんや胆管系腫瘍との鑑別が困難な場合は、専門施設で造影MRI・造影超音波などによる精査を行い、必要に応じて切除を検討します。

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