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きょうけんびょう

狂犬病

症状と特徴

潜伏期は通常1〜3か月程度だが、咬まれた部位、傷の深さ、ウイルス量などにより数日から1年以上まで幅がある。初期には発熱、倦怠感、頭痛、不安、不眠、咬傷部位の痛み・しびれ・異常感覚などがみられる。その後、興奮、錯乱、水を飲もうとすると喉がけいれんする恐水症、風を恐れる恐風症、けいれん、麻痺などが現れる。発症後はほぼ例外なく致死的である。日本では国内で感染したヒト狂犬病は長年報告されていないが、海外で感染した輸入例は報告されている。

原因

狂犬病ウイルスによる感染症である。感染した犬、猫、コウモリ、キツネ、アライグマ、サルなどの哺乳類の唾液が、咬み傷、ひっかき傷、粘膜などから体内に入ることで感染する。ウイルスは末梢神経を通って中枢神経系へ到達し、脳炎を起こす。

治療

発症前であれば、直ちに傷を石けんと大量の流水で少なくとも15分間よく洗い、消毒したうえで、狂犬病曝露後予防(PEP)を開始する。これまで狂犬病ワクチンを受けていない人では、傷の状態に応じて抗狂犬病免疫グロブリンを傷の周囲へ可能な限り浸潤注射し、狂犬病ワクチンを定められた日程で接種する。すでにワクチン接種歴がある人では通常、免疫グロブリンは用いず追加ワクチン接種を行う。破傷風予防、細菌感染予防、創傷処置も必要に応じて行う。発症後に確実に有効な治療法はなく、集中治療を含む支持療法が中心となる。流行地域へ長期滞在する人、動物やコウモリに接触する可能性が高い人は、渡航前ワクチンを検討する。

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