せんてんせいふくじんひしつかけいせいしょう
先天性副腎皮質過形成症
症状と特徴
副腎皮質ホルモンをつくる酵素の先天的異常による病気の総称です。最も多い21水酸化酵素欠損症では、副腎アンドロゲンの過剰により、46,XXの児では外性器の男性化がみられることがあります。46,XYの児では出生時の外性器所見が目立たない場合もありますが、乳幼児期以降に陰茎の早期発育、陰毛の早期出現、成長促進などがみられることがあります。塩喪失型では、生後数日から数週に嘔吐、哺乳不良、脱水、体重減少、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低血圧・ショックを伴う副腎クリーゼを起こすことがあり、緊急の治療が必要です。ACTH上昇に伴う皮膚の色素沈着がみられることもあります。
原因
副腎皮質では、糖質コルチコイド(コルチゾール)、鉱質コルチコイド(アルドステロン)、副腎アンドロゲンなどがつくられます。これらを合成する酵素の遺伝的異常により、特にコルチゾールの産生が不足します。その結果、ACTHが増加して副腎が過形成となり、酵素異常の種類に応じてアンドロゲン過剰やアルドステロン不足などが起こります。多くは常染色体劣性遺伝です。
治療
不足するコルチゾールを補うため、原則として生涯にわたり糖質コルチコイド補充療法を行います。塩喪失型では鉱質コルチコイドと食塩の補充も必要です。発熱、嘔吐、下痢、手術などの強い身体的ストレス時には、医師の指示に従ってステロイドを増量するシックデイルールが重要であり、内服できない場合や副腎クリーゼが疑われる場合は救急治療を受けます。定期的に成長、血圧、電解質、ホルモン値、治療薬の副作用を確認します。外性器に関する対応は、本人・家族の意向、多職種専門チームの評価、将来の自己決定を重視して個別に検討され、乳幼児期に一律に形成手術を行うものではありません。