ようじょうしゅよう
葉状腫瘍
症状と特徴
主に30〜50歳代にみられますが、より若年者から高齢者まで発症することがあります。初期には小さなしこりとして触れますが、短期間に急速に増大することが特徴です。5cmを超えることもあり、まれに非常に大きくなります。境界は比較的明瞭で、弾力があり、分葉状のため表面に凹凸を触れることがあります。大きくなると、痛み、発赤、圧迫感、皮膚の菲薄化や潰瘍を伴うことがあります。病理学的に良性・境界悪性・悪性に分類され、悪性の割合は報告により異なりますが、おおむね1〜2割程度です。
原因
乳腺上皮と間質結合組織が増殖する線維上皮性腫瘍です。乳腺線維腺腫と似た組織像を示しますが、葉状腫瘍では線維性間質の増殖がより目立ち、乳管上皮が引き伸ばされて葉状の構造を示します。悪性葉状腫瘍では間質細胞に悪性所見がみられます。明確な発症原因は不明です。
治療
原則として手術で完全に切除します。局所再発を減らすため、腫瘍周囲に十分な切除縁を確保することが重要です。腫瘍が大きい場合や乳房内で十分な切除縁を確保できない場合には、乳房切除術が必要になることがあります。腋窩リンパ節への転移は一般的な乳がんほど多くないため、通常は予防的な腋窩リンパ節郭清は行いません。良性でも局所再発することがあるため、手術後も定期的な診察・画像検査による経過観察を行います。悪性例では状況により放射線治療を検討することがありますが、薬物療法の有効性は限定的で、専門施設で個別に判断されます。