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がんめんしんけいまひ(べるまひ)

顔面神経麻痺(ベル麻痺)

症状と特徴

顔面神経の麻痺により、通常は片側の額、まぶた、口元を含む顔面全体の筋肉が動かしにくくなります。額にしわを寄せられない、目を完全に閉じられない、口角が下がる、口から飲食物やよだれがこぼれるなどがみられます。無理に目を閉じようとすると眼球が上方へ動き、白目が見えることがあります(ベル現象)。耳の後ろの痛み、音が響く感じ(聴覚過敏)、味覚の変化、涙や唾液の分泌変化を伴うことがあります。症状は発症後48~72時間程度まで進行することがあります。多くは数週間から数か月で改善しますが、回復に時間がかかる例や、顔面のつっぱり・不随意運動(病的共同運動)などの後遺症が残る例もあります。

原因

ベル麻痺は、明らかなほかの原因が確認できない急性の末梢性顔面神経麻痺です。単純ヘルペスウイルスの再活性化に伴う顔面神経の炎症・むくみが関与すると考えられていますが、すべての機序が確定しているわけではありません。冷水や冷風への曝露が直接の原因であることは確立されていません。顔面神経麻痺には、帯状疱疹ウイルスによるラムゼイ・ハント症候群、外傷、中耳疾患、腫瘍、ライム病など、別の原因によるものもあります。額が動く一方で口元のみが麻痺する場合は、中枢性麻痺として脳卒中なども考慮します。

治療

発症後72時間以内であれば、原則として副腎皮質ステロイド薬の内服が推奨されます。重症例や帯状疱疹が疑われる場合などでは、医師の判断で抗ウイルス薬を併用することがありますが、典型的ベル麻痺の全例に抗ウイルス薬が必要とは限りません。ビタミンEは標準治療としての有効性が確立していません。目を閉じられないと角膜が乾燥・損傷するおそれがあるため、防腐剤を含まない人工涙液や眼軟膏、就寝時のテーピング・眼帯などで目を保護し、痛み・充血・視力低下があれば早急に眼科を受診します。食物が麻痺側の頬にたまりやすいため、食後の口腔清掃を行います。回復期のリハビリテーションは、過度な顔面運動や強い電気刺激を自己判断で行わず、後遺症がある場合は専門家の指導のもとで行います。ベル麻痺以外では原因疾患に応じた治療を行います。

関連する病気

この病気に関連する病気

顔面神経麻痺

がんめんしんけいまひ

顔面神経の働きが弱くなると、泣いたときの口角の左右差、片側の顔の動きの乏しさ、まぶたを閉じにくい、哺乳しにくいなどがみられます。症状が片側だけか、安静時にもあるか、ほかの神経症状を伴うかを確認します。

帯状疱疹

たいじょうほうしん

かつて体内に侵入した水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こります。発疹に先立ち、神経痛のような痛み、ピリピリ感、かゆみなどが現れ、数日後に体の片側の神経に沿って帯状に赤い発疹や水ぶくれができます。頭

ライム病

らいむびょう

刺咬後数日から数週間で、刺し口を中心に徐々に広がる赤い発疹(遊走性紅斑)が現れることがあります。発熱、頭痛、だるさ、筋肉痛、関節痛などを伴うことがあります。治療されない場合、一部では顔面神経麻痺、髄膜

脳卒中

のうそっちゅう

脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳内の血管が破れる脳出血、脳動脈瘤などの破裂によるくも膜下出血を含む脳血管疾患です。顔のゆがみ、片側の手足や顔の麻痺・しびれ、言葉が出ない・ろれつが回らない、急な視野

帯状疱疹

たいじょうほうしん

かつて体内に侵入した水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こります。発疹に先立ち、神経痛のような痛み、ピリピリ感、かゆみなどが現れ、数日後に体の片側の神経に沿って帯状に赤い発疹や水ぶくれができます。頭