karada.me karada.me

せきずいしょうのうへんせいしょう

脊髄小脳変性症

症状と特徴

脊髄小脳変性症は、小脳性運動失調を主症状とする進行性疾患群の総称です。歩行時のふらつき、足を広げた歩き方、方向転換時の不安定さ、手を目標へ伸ばす際の震えや不正確さ、字が書きにくい、ろれつが回りにくいなどがみられます。筋力が比較的保たれていても、協調運動が障害されるため動作がうまく行えません。病型によっては、眼球運動の異常、複視、嚥下障害、声のかすれ、筋固縮や動作緩慢などのパーキンソン症状、錐体路徴候、末梢神経障害、認知機能の障害、自律神経症状を伴うことがあります。進行速度は病型により大きく異なり、長期間にわたり緩徐に進行するものから、比較的速く進行するものまであります。

原因

遺伝性脊髄小脳失調症と、原因が一つに定まらない孤発性の脊髄小脳変性症があります。遺伝性では、さまざまな遺伝子の反復配列異常や変異が原因となり、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖など多様な遺伝形式があります。孤発性の進行性疾患には、多系統萎縮症(MSA)などが含まれます。ただし、アルコールの影響、ビタミン欠乏、甲状腺疾患、自己免疫性疾患、薬剤、腫瘍随伴症候群など、治療可能な原因でも失調が起こりうるため、診断時にはこれらを区別する検査が重要です。

治療

遺伝性脊髄小脳失調症や多系統萎縮症を根本的に止める確立した治療は、現時点では限られています。日本ではタルチレリン水和物が脊髄小脳変性症の運動失調症状に用いられることがありますが、効果には個人差があり、進行を確実に止める薬ではありません。リハビリテーション、バランス訓練、転倒予防、杖・歩行器・車椅子などの補助具、住宅環境の調整が重要です。嚥下障害には嚥下評価と食形態調整、発声障害には言語療法を行います。起立性低血圧、排尿障害、パーキンソン症状、睡眠障害などは、病型と症状に応じて薬物療法や非薬物療法を行います。遺伝性が判明した場合は、本人の意思を尊重した遺伝カウンセリングを行います。

関連する病気