ばいどく
梅毒
症状と特徴
主に性的接触で感染しますが、妊娠中の母子感染も起こりえます。感染後およそ10~90日(多くは約3週間)で、感染部位に痛みの少ないしこり、びらん、潰瘍や、近くのリンパ節の腫れが生じることがあります(第1期)。これらは治療しなくても自然に消えることがありますが、感染が治ったことを意味しません。数週間~数か月後には、全身の発疹、手のひら・足の裏を含む発疹、発熱、倦怠感、リンパ節腫脹、口腔・陰部の粘膜病変、脱毛などが現れることがあります(第2期)。無症状の潜伏期を経て、未治療例の一部では年単位で心血管、神経、眼、耳などの障害を来します。神経梅毒は病期にかかわらず起こりえます。症状がない感染者も少なくありません。
原因
梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)への感染が原因です。膣性交、肛門性交、口腔性交などで、病変部や感染性の分泌物と皮膚・粘膜が接触することで感染します。
治療
血液検査などで診断し、病期、妊娠の有無、神経・眼・耳の症状の有無に応じて抗菌薬を選択します。第一選択はペニシリン系薬で、早期梅毒ではベンザチンベンジルペニシリンの筋肉内注射が標準的な治療の一つです。日本では病状や使用可能な薬剤に応じ、内服ペニシリン系薬などが用いられることもあります。ペニシリンアレルギーの場合でも、妊娠中は原則としてペニシリンによる治療が必要で、専門的管理下で脱感作が検討されます。治療開始後24時間以内に、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、発疹の一時的な悪化などのヤリッシュ・ヘルクスハイマー反応が起こることがありますが、薬剤アレルギーとは区別が必要です。治療後は血液検査で効果を一定期間追跡します。パートナーの検査・治療、他の性感染症(HIVを含む)の検査、治療完了と医師の許可が得られるまでの性行為回避が重要です。
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