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きゅうせいこきゅうそくはくしょうこうぐん

急性呼吸促迫症候群

症状と特徴

急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺の強い炎症により肺胞・毛細血管のバリアが傷つき、肺に水分がたまって重度の低酸素血症を起こす病態です。数日以内に急速に呼吸困難、頻呼吸、低酸素血症が進行し、通常の酸素投与だけでは改善しにくいことがあります。肺以外の臓器にも障害が及び、多臓器不全を伴うことがあります。重症度や原因により予後は異なりますが、集中治療を要する重篤な病態であり、死亡率は現在も高いものの、治療の進歩により一律に40~60%とすることは適切ではありません。

原因

肺炎、胃内容物の誤嚥、敗血症、重症外傷、広範囲熱傷、ショック、急性膵炎、大量輸血などが契機になります。敗血症は重要な原因の一つです。感染や外傷などに伴う過剰な炎症反応により、好中球、炎症性サイトカイン、血管内皮・肺胞上皮の障害などが関与し、肺血管からの水分漏出、肺胞虚脱、ガス交換障害が生じます。ARDSは心不全による肺水腫だけでは説明できない急性の非心原性肺水腫を特徴とします。

治療

ICUで原因疾患を速やかに治療します。敗血症細菌性肺炎が疑われる場合は、培養採取などを行いつつ適切な抗菌薬投与と感染源のコントロールを行います。呼吸管理では、必要に応じて気管挿管・人工呼吸管理を行い、肺を傷めにくい低一回換気量換気と適切なPEEP設定を用います。中等症から重症では、長時間の腹臥位療法が推奨されることがあります。重症で通常の人工呼吸管理でも酸素化を維持できない場合には、専門施設で体外式膜型人工肺(ECMO)を検討することがあります。輸液は過剰にならないよう管理し、循環状態が安定している場合には保守的な水分管理や利尿薬が用いられることがあります。ステロイドは一部の患者で検討されますが、すべてのARDS患者に一律に大量投与する治療ではなく、原因、時期、重症度を踏まえて判断されます。

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