karada.me karada.me

しんふぜん

心不全

症状と特徴

心不全は単一の病名ではなく、心臓のポンプ機能や拡張機能の異常により、全身が必要とする血液を十分に送り出せない、または心臓に血液がうっ滞する臨床症候群です。左心不全では息切れ、起坐呼吸、夜間の呼吸困難、咳、肺うっ血がみられ、右心不全では下腿浮腫、体重増加、腹部膨満、頸静脈怒張などが起こります。急性心不全では、急激な呼吸困難、起坐呼吸、低酸素血症、血圧低下、冷汗、意識障害などが現れることがあります。

原因

急性心筋梗塞などの虚血性心疾患、心筋症、心臓弁膜症不整脈、高血圧緊急症、急性心筋炎などが原因となります。感染症、貧血、腎機能悪化、甲状腺機能異常、塩分・水分の過剰摂取、治療薬の中断などが、既存の心不全を急に悪化させる誘因となることもあります。

治療

急性心不全は生命に関わるため、原則として救急での評価・入院治療が必要です。酸素投与は低酸素血症がある場合に行い、必要に応じて非侵襲的陽圧換気または人工呼吸管理を行います。うっ血には静脈内利尿薬、血圧が保たれている場合には血管拡張薬を用いることがあり、ショックでは強心薬・昇圧薬、補助循環や緊急のカテーテル・外科治療を検討します。同時に、心筋梗塞不整脈、弁膜症など原因の治療を行います。

関連する病気

この病気に関連する病気

急性心筋梗塞

きゅうせいしんきんこうそく

急性心筋梗塞は、心筋梗塞の発症直後から急性期の状態を指します。冠動脈の閉塞部位により障害される心筋の範囲は異なり、左前下行枝の閉塞では左心室前壁に梗塞が生じることがあります。急性期には、心室細動などの

虚血性心疾患

きょけつせいしんしっかん

虚血性心疾患は、心筋へ血液を送る冠動脈の狭窄または閉塞により、心筋への酸素供給が不足する病気の総称です。狭心症や心筋梗塞などを含みます。胸部の圧迫感、締め付け感、痛み、息切れ、動悸、冷や汗、吐き気など

心臓弁膜症

しんぞうべんまくしょう

心臓には僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁の4つの弁があります。弁に障害が起こる病気の総称が心臓弁膜症です。弁が十分に開かず血流が妨げられる状態を狭窄症、弁が完全に閉じず血液が逆流する状態を閉鎖不全症

不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

心筋炎

しんきんえん

発熱、かぜ様症状、筋肉痛、下痢などの感染症状に続いて、数日から数週間以内に動悸、胸痛、息切れ、強いだるさなどが現れることがあります。症状が軽く自然に回復する場合もありますが、不整脈、心不全、失神、心原

心筋梗塞

しんきんこうそく

強い胸部圧迫感、締め付けられるような痛み、胸の重苦しさが通常20分から30分以上持続します。痛みは前胸部だけでなく、胸全体、首、あご、背中、左腕・両腕、肩、上腹部に現れることがあります。冷や汗、吐き気

不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

この病気を参照している病気

睡眠時無呼吸症候群

すいみんじむこきゅうしょうこうぐん

睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなることで、睡眠が分断され、日中の強い眠気、熟睡感の欠如、疲れやすさ、集中力・記憶力の低下、起床時の頭痛などが起こります。大きないびき、いびきが途中で止まり、あえぐよう

肺塞栓症

はいそくせんしょう

突然の呼吸困難、胸の痛み、頻呼吸、動悸、不安感、失神、ショックなどが起こることがあります。動作時の息切れ、咳、血痰がみられることもありますが、小さな塞栓では症状が乏しい場合もあります。心筋梗塞、心不全

肺高血圧症

はいこうけつあつしょう

初期には動作時の息切れ、疲労感、動悸などがみられます。進行すると胸痛、めまい、失神、むくみ、腹部膨満などが現れ、右心不全に至ることがあります。症状は非特異的で、喘息、心不全、貧血などと区別が必要です。

過換気症候群

かかんきしょうこうぐん

発作的に呼吸が速く深くなり、息が吸えない感じ、胸部圧迫感、動悸、めまい、ふらつき、手足や口の周りのしびれ、手足のこわばり・けいれん様症状が現れることがあります。不安や恐怖が症状を増幅し、さらに過換気が

低換気症候群

ていかんきしょうこうぐん

換気が不足して血液中の二酸化炭素が増加し、酸素が低下することがあります。息苦しさ、頭痛、睡眠の質の低下、日中の眠気、集中力低下、起床時頭痛、疲労感などがみられます。重症化すると意識障害、右心不全、肺高

肺水腫/肺うっ血

はいすいしゅ/はいうっけつ

肺水腫では急な呼吸困難、頻呼吸、横になると苦しく座ると楽になる起坐呼吸、咳、喘鳴、ピンク色で泡状の痰などがみられます。心不全に伴う場合には、脚のむくみ、体重増加、動悸などを伴うことがあります。重症では

呼吸不全

こきゅうふぜん

肺でのガス交換が障害され、血液中の酸素が低下する低酸素血症、二酸化炭素が増加する高二酸化炭素血症、または両方が生じた状態です。息切れ、呼吸困難、頻呼吸、疲労感、頭痛、眠気、不眠、食欲低下、不安、チアノ

急性呼吸促迫症候群

きゅうせいこきゅうそくはくしょうこうぐん

急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺の強い炎症により肺胞・毛細血管のバリアが傷つき、肺に水分がたまって重度の低酸素血症を起こす病態です。数日以内に急速に呼吸困難、頻呼吸、低酸素血症が進行し、通常の酸素

胸膜炎

きょうまくえん

胸痛、特に深呼吸や咳で悪化する胸の痛み、息切れ、呼吸困難、咳などがみられます。原因により発熱、痰、全身倦怠感、体重減少などを伴うことがあります。胸膜に炎症が起こると胸水がたまることがありますが、胸膜炎

虚血性心疾患

きょけつせいしんしっかん

虚血性心疾患は、心筋へ血液を送る冠動脈の狭窄または閉塞により、心筋への酸素供給が不足する病気の総称です。狭心症や心筋梗塞などを含みます。胸部の圧迫感、締め付け感、痛み、息切れ、動悸、冷や汗、吐き気など

心筋梗塞

しんきんこうそく

強い胸部圧迫感、締め付けられるような痛み、胸の重苦しさが通常20分から30分以上持続します。痛みは前胸部だけでなく、胸全体、首、あご、背中、左腕・両腕、肩、上腹部に現れることがあります。冷や汗、吐き気

急性心筋梗塞

きゅうせいしんきんこうそく

急性心筋梗塞は、心筋梗塞の発症直後から急性期の状態を指します。冠動脈の閉塞部位により障害される心筋の範囲は異なり、左前下行枝の閉塞では左心室前壁に梗塞が生じることがあります。急性期には、心室細動などの

無症候性心筋虚血

むしょうこうせいしんきんきょけつ

心筋が虚血状態になっていても、胸痛、胸部圧迫感、息切れなどの自覚症状がない、または乏しい状態です。健診の心電図、運動負荷試験、心エコー、冠動脈CT、他疾患の検査などで偶然発見されることがあります。高齢

不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

心房細動

しんぼうさいどう

心房内で多数の無秩序な電気興奮が起こり、脈が不規則になる不整脈です。動悸、息切れ、疲れやすさ、胸部不快感、めまいなどがみられますが、無症状のこともあります。心房が有効に収縮しないため、左心耳を中心に血

心房粗動

しんぼうそどう

心房内の一定の大きな電気回路(リエントリー)により起こる頻拍性不整脈です。心房は通常毎分約250〜350回興奮し、心室にはその一部が伝わるため、比較的規則正しい頻脈となることが多いですが、伝導比が変化

期外収縮

きがいしゅうしゅく

本来の洞結節からの刺激より早く、心房または心室の別の場所から電気刺激が出て、一拍早い収縮が起こる不整脈です。脈が飛ぶ、胸がドキッとする、のど・胸の違和感、短時間の動悸を感じることがありますが、無症状の

心室細動

しんしつさいどう

心室内で無秩序で高速な電気興奮が起こり、心室が有効に収縮できなくなる不整脈です。直ちに心拍出が失われるため、突然の意識消失、正常な呼吸の消失または死戦期呼吸、けいれん様の動きなどを呈します。放置すると

発作性上室性頻拍

ほっさせいじょうしつせいひんぱく

心房または房室結節付近を起源とする頻拍が突然始まり、突然止まる不整脈です。脈拍は多くの場合、毎分150〜250回程度で規則的です。動悸、胸部不快感、息切れ、めまい、ふらつき、頻尿などが起こり、長時間続

房室ブロック

ぼうしつぶろっく

心房から心室へ電気刺激を伝える房室結節、ヒス束、脚・プルキンエ線維のいずれかで伝導が遅れたり途絶えたりする状態です。Ⅰ度房室ブロックは伝導が遅れるのみで、通常は無症状です。Ⅱ度房室ブロックでは一部の電

WPW症候群

だぶりゅーぴーだぶりゅーしょうこうぐん

生まれつき、心房と心室の間に房室結節以外の電気的な通り道である副伝導路(副伝導路)がある状態です。電気信号が副伝導路を通って早く心室へ伝わると、心電図でデルタ波などの早期興奮所見がみられます。副伝導路

収縮性心膜炎

しゅうしゅくせいしんまくえん

心膜が厚く硬くなり、癒着や石灰化によって心臓が拡張しにくくなる病気です。全身倦怠感、運動時の息切れ、下腿浮腫、腹水、体重増加、肝腫大、頸静脈怒張など、主に右心不全に似た静脈うっ血症状がみられます。心拡

感染性心内膜炎

かんせんせいしんないまくえん

心臓の内面を覆う心内膜、特に心臓弁に細菌や真菌が感染して炎症を起こす病気です。発熱、悪寒、倦怠感、寝汗、体重減少、息切れ、動悸、新たな心雑音または心不全症状がみられます。弁にできた感染性の塊(疣贅)が

心肥大

しんひだい

心肥大は、主に心室の心筋が厚くなる心筋肥大を指すことが多く、高血圧や弁膜症などに対して心臓が負荷に適応した結果として起こります。心臓全体が大きく見える心拡大とは必ずしも同じ意味ではありません。初期には

心臓神経症

しんぞうしんけいしょう

心臓の明らかな器質的異常が確認されないにもかかわらず、胸痛、動悸、息切れ、胸部圧迫感、脈の乱れへの強い不安などを繰り返す状態を指すことがある、やや古い用語です。現在は、不安症、パニック症、身体症状症な

肺性心

はいせいしん

肺の病気などにより肺循環の圧が高くなり、右心室に負担がかかって右心拡大や右心不全を生じる状態です。急性では突然の呼吸困難、胸痛、頻脈、血圧低下、失神やショックを起こし、重症では突然死に至ることがありま

慢性心不全

まんせいしんふぜん

心機能の低下または心臓の拡張障害が長期に続く状態です。左心不全では労作時息切れ、呼吸困難、起坐呼吸、夜間の咳や喘鳴、動悸がみられます。右心不全では全身の静脈うっ血により下腿浮腫、体重増加、腹部膨満、食

心臓突然死

しんぞうとつぜんし

心臓突然死は、予期しない心臓の原因による急激な死亡を指します。定義には研究・統計上の差がありますが、目撃された場合には症状出現からおおむね1時間以内の死亡として扱われることがあります。多くは心室細動や

特発性心筋症

とくはつせいしんきんしょう

心筋に異常が生じ、心臓の構造または機能に障害を来す病気の総称です。病型により、無症状から、息切れ、動悸、胸痛、めまい・失神、むくみ、心不全、不整脈、血栓塞栓症、突然死までさまざまです。主な病型には肥大

肥大型心筋症

ひだいがたしんきんしょう

心筋、特に左心室や心室中隔が厚くなり、心室が拡張しにくくなる病気です。無症状で健診の心電図異常などから見つかることもあります。息切れ、動悸、胸痛、めまい、失神がみられ、不整脈や心不全を伴うことがありま

拡張型心筋症

かくちょうがたしんきんしょう

主に左心室が拡大し、血液を送り出す収縮機能が低下する心筋症です。無症状の場合もありますが、動悸、息切れ、易疲労感、下腿浮腫などから発見されることがあります。進行すると、安静時や夜間の呼吸困難、心不全、

拘束型心筋症

こうそくがたしんきんしょう

心室の壁が硬くなり、心室が十分に広がらず血液を受け入れにくくなる心筋症です。収縮機能が比較的保たれていても、拡張障害により息切れ、運動耐容能低下、動悸、下腿浮腫、腹部膨満などの心不全症状を起こします。

特定心筋症

とくていしんきんしょう

他の病気、薬剤、毒性物質などの影響で生じる二次性の心筋症です。原因によって症状はさまざまで、息切れ、むくみ、動悸、胸痛、失神、心不全、不整脈などがみられることがあります。

不整脈原性右室心筋症

ふせいみゃくげんせい うしつしんきんしょう

心室性期外収縮、心室頻拍などの不整脈が現れ、動悸、めまい、失神を起こすことがあります。右心室を中心に、機能低下や形態異常、心筋の線維化・脂肪変性が生じます。進行すると心不全や心停止・突然死の原因となる

たこつぼ型心筋症

たこつぼがたしんきんしょう

急な胸部圧迫感・胸痛、息苦しさ、動悸、全身倦怠感などを起こし、心電図変化や心筋トロポニン上昇を伴うことがあります。急性心筋梗塞に似た症状を示します。典型例では左心室の心尖部から中部の収縮が低下し、基部

心臓弁膜症

しんぞうべんまくしょう

心臓には僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁の4つの弁があります。弁に障害が起こる病気の総称が心臓弁膜症です。弁が十分に開かず血流が妨げられる状態を狭窄症、弁が完全に閉じず血液が逆流する状態を閉鎖不全症

僧帽弁狭窄症

そうぼうべんきょうさくしょう

僧帽弁が十分に開かず、左心房から左心室への血流が妨げられる病気です。労作時の息切れ、疲れやすさ、動悸、夜間の呼吸困難、むくみなどを起こすことがあります。心房細動を合併しやすく、左心房内にできた血栓が脳

僧帽弁逆流(閉鎖不全)症

そうぼうべんぎゃくりゅう へいさふぜんしょう

僧帽弁が十分に閉じず、左心室から左心房へ血液が逆流する状態です。無症状のこともありますが、労作時の息切れ、動悸、疲れやすさ、むくみなどがみられます。進行すると安静時の呼吸困難、心不全、心房細動、肺高血

乳頭筋機能不全症候群

にゅうとうきんきのうふぜんしょうこうぐん

乳頭筋や腱索、左心室の機能障害によって僧帽弁が閉じにくくなり、僧帽弁逆流を起こす状態です。胸痛、胸部圧迫感、息切れなど、狭心症や心筋梗塞に似た症状を伴うことがあります。急性心筋梗塞後に乳頭筋断裂を起こ

僧帽弁逸脱症候群

そうぼうべんいつだつしょうこうぐん

僧帽弁の前尖または後尖、まれに両方が、心臓の収縮時に左心房側へ過度に膨らむ状態です。重い僧帽弁逆流がなければ無症状のことが多いですが、動悸、胸部不快感、息切れなどを自覚することがあります。逸脱が強く弁

大動脈弁狭窄症

だいどうみゃくべんきょうさくしょう

大動脈弁が十分に開かず、左心室から大動脈への血流が妨げられる病気です。無症状のまま心雑音で発見されることもあります。重症化すると、労作時の息切れ、胸痛・狭心症、失神、動悸、心不全などが現れます。症候性

大動脈弁閉鎖不全症

だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう

大動脈弁が十分に閉じず、大動脈へ送り出された血液の一部が左心室へ逆流する病気です。慢性の場合は重症になるまで無症状のことがあります。進行すると動悸、労作時息切れ、疲れやすさ、胸痛、横になると苦しいなど

三尖弁閉鎖不全症

さんせんべんへいさふぜんしょう

三尖弁が十分に閉じず、右心室から右心房へ血液が逆流する病気です。軽症では症状がないこともあります。進行すると右心房・右心室の拡大、心房細動などの不整脈、むくみ、頸静脈の怒張、腹部膨満、肝腫大、食欲低下

エブスタイン病

えぶすたいんびょう

先天性の三尖弁異常で、主に中隔尖および後尖が右心室側へ偏位し、三尖弁逆流や右心房の拡大を生じます。程度は大きく異なり、無症状で成人まで経過する人もいます。息切れ、運動耐容能低下、動悸、不整脈、チアノー

肺動脈狭窄症

はいどうみゃくきょうさくしょう

肺動脈弁、右心室流出路、肺動脈本幹・枝などが狭くなり、右心室から肺への血流が妨げられる病気です。狭窄の部位と程度により症状は異なります。軽症では無症状で心雑音から発見されることがあります。中等度から重

肺動脈弁閉鎖不全症

はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう

肺動脈弁が十分に閉じず、拡張期に肺動脈から右心室へ血液が逆流する病気です。軽症では自覚症状がないことが多い一方、長期に高度の逆流が続くと右心室が拡大し、息切れ、運動耐容能低下、動悸、不整脈、右心不全を

胸部大動脈瘤

きょうぶだいどうみゃくりゅう

横隔膜より上の胸部大動脈にできる動脈瘤です。発生部位により上行大動脈瘤、弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤に分けられます。多くは無症状で、健康診断の胸部X線、CTなどで偶然見つかります。 瘤

解離性大動脈瘤

かいりせいだいどうみゃくりゅう

現在は一般に「急性大動脈解離」とよばれます。大動脈壁の内膜に裂け目(エントリー)ができ、血液が壁内に流入して中膜を二層に裂き、真腔と偽腔が形成される病態です。解離が上行大動脈に及ぶものはStanfor

腎盂腎炎

じんうじんえん

主に細菌感染によって腎盂・腎杯と腎実質に炎症が起こる病気です。急性腎盂腎炎では、38℃以上の発熱、悪寒、強いだるさ、側腹部・腰背部の痛み、肋骨脊柱角をたたいたときの痛み、吐き気・嘔吐がみられます。頻尿

肝硬変

かんこうへん

肝硬変は、慢性的な肝障害により肝臓の線維化が進み、再生結節と呼ばれる結節が形成されて、肝臓の構造と機能が変化した状態です。肝臓内の血流が悪くなり、門脈圧亢進症や肝機能低下を起こします。 代償性肝硬変

うっ血肝

うっけつかん

右心不全などによって肝臓から心臓へ戻る静脈血がうっ滞し、肝臓が腫れる状態です。軽い黄疸、右上腹部の圧迫感や痛み、肝腫大、全身や下肢のむくみ、腹水、倦怠感、食欲不振などがみられます。心不全による息切れ、

門脈圧亢進症

もんみゃくあつこうしんしょう

門脈は、小腸・大腸・脾臓などからの静脈血を集めて肝臓へ送る血管です。門脈系の血流抵抗が増すなどして門脈圧が持続的に高くなると、血液が肝臓を通りにくくなります。その結果、腹水、脾腫、血小板減少をはじめと

ヘモクロマトーシス

へもくろまとーしす

体内に鉄が過剰に蓄積し、肝臓、心臓、膵臓、下垂体、皮膚、関節などが障害される病気です。初期には疲れやすさ、倦怠感、関節痛などのみのことがあります。進行すると肝腫大、肝線維症・肝硬変、肝細胞がん、皮膚の

アミロイド肝

あみろいどかん

アミロイドという異常な線維状たんぱく質が肝臓に沈着する状態です。肝腫大や肝機能検査値の異常、とくにアルカリホスファターゼ(ALP)上昇がみられることがありますが、無症状のこともあります。進行すると黄疸

虚血性大腸炎

きょけつせいだいちょうえん

大腸への血流が一時的または持続的に低下して、大腸粘膜に炎症や傷害が起こる病気です。比較的高齢者に多く、便秘傾向のある人にもみられます。突然の腹痛、便意、下痢、血便・下血が典型的です。多くは一過性型で、

たんぱく漏出性胃腸症

たんぱくろうしゅつせいいちょうしょう

血液中のたんぱく質、特にアルブミンが消化管内へ過剰に失われる状態です。低アルブミン血症により、下痢、手足・顔のむくみ、体重増加、倦怠感、吐き気、嘔吐、腹部膨満感が起こります。重症では腹水や胸水を生じ、

ネフローゼ症候群

ネフローゼしょうこうぐん

ネフローゼ症候群は、糸球体の障害により多量のたんぱく尿が出て、低アルブミン血症を来す病態です。一般に、1日3.5g以上のたんぱく尿と血清アルブミン低下を目安に診断されます。顔、まぶた、下肢、陰部などの

腎不全

じんふぜん

腎臓は血液をろ過し、老廃物や余分な水分・電解質を尿として排出する臓器です。腎機能が著しく低下して、体内の老廃物、水分、カリウム、酸などを十分に調節できなくなった状態を腎不全といいます。急激に腎機能が低

急性腎不全

きゅうせいじんふぜん

現在は急性腎障害(AKI)と呼ばれることが多い病態です。数時間から数日、ときに数週間のうちに腎機能が急激に低下します。乏尿や無尿を伴うことがありますが、尿量が保たれる場合もあります。老廃物や水分、カリ

慢性腎臓病(CKD)

しーけーでぃー

慢性腎臓病(CKD)は単一の病名ではなく、腎臓の構造または機能の異常が3か月以上持続し、健康に影響する状態の総称です。診断の目安は、eGFR 60mL/分/1.73m²未満が3か月以上続く場合、または

尿毒症

にょうどくしょう

尿毒症は、重度の腎機能低下により老廃物、余分な水分、電解質、酸などが体内に蓄積し、全身症状や臓器障害を生じる状態です。食欲低下、吐き気、嘔吐、味覚異常、倦怠感、かゆみ、むくみ、息切れ、不眠、集中力低下

腎硬化症

じんこうかしょう

腎臓内の細小動脈に動脈硬化性の変化が起こり、腎臓への血流が低下して腎臓が萎縮し、腎機能が低下する病気です。長期間の高血圧に伴う良性腎硬化症では、数年から数十年かけて緩徐に進行します。初期には自覚症状が

神経性頻尿

しんけいせいひんにょう

「神経性頻尿」は現在、心因性頻尿、機能性頻尿などの語で説明されることがあります。明らかな器質的疾患が確認されないにもかかわらず、日中に頻回に排尿したくなる状態です。排尿量が少ないことが多く、不安や緊張

前立腺炎症候群

ぜんりつせんえんしょうこうぐん

前立腺に炎症または痛み・不快感が生じる病態です。急性細菌性前立腺炎では、悪寒・戦慄を伴う発熱、急激な全身状態の悪化、下腹部・尿道・会陰部の痛み、排尿痛、頻尿、残尿感、排尿困難がみられます。尿が濁る、血

勃起障害(ED)

性交に必要な硬さの勃起が得られない、または勃起を維持できず、満足な性交が困難になる状態です。一時的な不調だけではなく、症状が持続・反復して本人またはパートナーが困っている場合に勃起障害(ED)として評

リンパ浮腫

りんぱふしゅ

リンパ液の流れが障害され、腕、手、脚、足、顔面、外陰部などが慢性的に腫れます。初期には軟らかく、圧迫するとへこむむくみがみられることがありますが、進行すると皮膚・皮下組織が硬く厚くなり、むくみが戻りに

高安動脈炎

たかやすどうみゃくえん

大動脈と、その主な枝、肺動脈などに炎症が起こり、血管が狭くなる、閉塞する、拡張・瘤を形成する、弁膜症を伴うなどの変化を生じる慢性の大型血管炎です。発熱、倦怠感、体重減少、筋肉痛・関節痛などの全身症状が

痛風(高尿酸血症)

つうふう(こうにょうさんけっしょう)

高尿酸血症を背景に起こる急性関節炎です。典型的には足の親指の付け根が赤く腫れ、突然、非常に強い痛みが起こります(痛風発作)。足首、足背、膝、手指、肘などにも起こります。発作の少し前に違和感や軽い痛みを

高血圧症

こうけつあつしょう

高血圧は、動脈の血圧が持続して高い状態です。自覚症状がないことが多い一方、長期間続くと脳卒中、冠動脈疾患・心不全、慢性腎臓病、大動脈疾患、網膜症などのリスクを高めます。日本高血圧学会の診察室血圧での高

低血圧症

ていけつあつしょう

低血圧は、血圧が低くても症状がなく日常生活に支障がなければ、必ずしも病気ではありません。一般に診察室血圧が90/60mmHg未満を低血圧の目安とすることがありますが、明確に一律の診断基準はなく、症状や

起立性低血圧症

きりつせいていけつあつしょう

横になった状態または座った状態から立ち上がった後、通常3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下する状態をいいます。めまい、立ちくらみ、目の前が暗くなる、ふらつき、

心筋炎

しんきんえん

発熱、かぜ様症状、筋肉痛、下痢などの感染症状に続いて、数日から数週間以内に動悸、胸痛、息切れ、強いだるさなどが現れることがあります。症状が軽く自然に回復する場合もありますが、不整脈、心不全、失神、心原

糖尿病

とうにょうびょう

糖尿病は初期には症状がないことが多く、健康診断などで発見されます。高血糖が進むと、口渇、多飲、多尿、夜間頻尿、食欲の変化、だるさ、疲れやすさ、体重減少、皮膚のかゆみ、感染症にかかりやすい、傷が治りにく

糖尿病性腎症

とうにょうびょうせいじんしょう

糖尿病に関連する慢性腎臓病で、初期には自覚症状がほとんどありません。尿中アルブミンの増加や蛋白尿が検査で見つかります。進行すると、むくみ、高血圧、腎機能低下がみられ、さらに進むと尿毒症、心不全、高カリ

糖原病

とうげんびょう

糖原病の型や障害される臓器によって症状は異なります。肝型では肝腫大による腹部膨満、空腹時低血糖、発育不良・低身長などがみられます。低血糖により、発汗、ふるえ、疲労感、意識の混乱、けいれん、昏睡などを起

ビタミン欠乏症

けつぼうしょう

不足するビタミンの種類によって症状が異なります。ビタミンA不足では、暗い場所で見えにくくなる夜盲、眼や皮膚・粘膜の乾燥、感染しやすさなどがみられ、乳幼児では発育に影響することがあります。ビタミンB₁不

低カルシウム血症

ていカルシウムけっしょう

血中カルシウム、特にイオン化カルシウムが低下すると、口の周囲や手足のしびれ、筋肉のこわばり、テタニー(筋けいれん)、筋力低下などが起こります。重症では全身けいれん、喉頭けいれんによる呼吸障害、不整脈、

アミロイドーシス

あみろいどーしす

異常な線維状たんぱく質であるアミロイドが全身または特定の臓器に沈着し、臓器機能障害を起こす疾患群です。症状は病型と沈着部位により異なります。心臓では心不全、不整脈、起立性低血圧、腎臓では蛋白尿、ネフロ

褐色細胞腫

かっしょくさいぼうしゅ

副腎髄質または副腎外の傍神経節に生じる、カテコールアミンを過剰に分泌する腫瘍です。発作性または持続性の高血圧、拍動性頭痛、動悸、発汗が代表的な症状です。顔面蒼白、手足の冷え、振戦、不安感、体重減少、高

本態性振戦

ほんたいせいしんせん

明らかな他の神経疾患がないにもかかわらず、主に手や腕、頭部、声などに振戦が起こる病気です。姿勢を保つときや、手を伸ばす、字を書く、食器を使うなどの動作時に目立つことが多く、緊張、疲労、睡眠不足、カフェ

筋ジストロフィー

きんじすとろふぃー

筋肉が徐々に障害され、筋力低下、筋萎縮、運動機能低下が進む遺伝性筋疾患の総称です。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは主に男児に幼少期から発症し、転びやすい、走れない、階段昇降が難しい、床から立ち上がる際

熱痙攣

ねつけいれん

暑熱下の運動・作業中または後に、ふくらはぎ、太もも、腹部、腕などの筋肉に痛みを伴うけいれんが起こります。いわゆる筋肉がつる状態で、発汗や疲労を伴うことがあります。ただし、全身けいれん、意識障害、強い体

動静脈瘻

どうじょうみゃくろう

動脈と静脈が毛細血管を介さず、異常な短絡路によって直接つながった状態です。短絡する血流が少なく末梢にある場合は、症状がほとんどないこともあります。血流量が多い場合には、静脈が太く蛇行する、腫れ、皮膚の

サルコイドーシス

さるこいどーしす

非乾酪性肉芽腫という炎症性の組織変化が全身の臓器に生じる疾患で、がんとは異なります。無症状で健診の胸部画像異常から見つかることもあります。肺・胸部リンパ節病変が多く、乾いた咳、息切れ、胸部不快感などが

混合性結合組織病

こんごうせいけつごうそしきびょう

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎に似た症状が重なって現れる自己免疫疾患です。抗U1-RNP抗体が高力価で検出されることが診断上重要です。女性に多く、レイノー現象が初期からよく

睡眠時無呼吸症候群

すいみんじむこきゅうしょうこうぐん

睡眠中に呼吸停止または低呼吸を繰り返し、いびき、あえぎ・窒息感、夜間頻尿、起床時の頭痛、熟睡感のなさ、日中の眠気、集中力低下などが起こります。未治療では高血圧、心房細動、虚血性心疾患、脳卒中、糖代謝異

血液型不適合妊娠

けつえきがたふてきごうにんしん

母親自身には通常目立った症状はありません。母体のIgG型赤血球抗体が胎盤を通過して胎児赤血球を壊すと、胎児・新生児溶血性疾患を起こします。軽症では新生児黄疸や貧血、重症では胎児貧血、胎児水腫、心不全、

先天性心疾患

せんてんせいしんしっかん

先天性心疾患は、生まれつきの心臓や大血管の構造異常の総称です。頻度はおおむね出生100人に約1人です。病型により、心雑音のみで無症状のことから、哺乳不良、発汗、呼吸が速い、体重増加不良、心不全、皮膚・

心室中隔欠損症

しんしつちゅうかくけっそんしょう

左右の心室を隔てる心室中隔に穴があり、通常は左心室から右心室へ血液が流れます。小さな欠損では心雑音のみで無症状のことが多く、自然閉鎖することもあります。欠損が大きい場合は肺への血流が増え、乳児期から呼

心房中隔欠損症

しんぼうちゅうかくけっそんしょう

右心房と左心房を隔てる心房中隔に穴があり、通常は左心房から右心房へ血液が流れます。小児期には無症状のことが多い一方、欠損が大きい場合は右心系や肺血流への負担が生じます。未治療のまま成人期に至ると、動悸

動脈管開存症

どうみゃくかんかいぞんしょう

胎児期に大動脈と肺動脈をつないでいる動脈管が、出生後も閉じずに残る病気です。通常は大動脈から肺動脈へ血液が流れ、肺血流が増加します。開存部が小さい場合は連続性心雑音のみで無症状のことがあります。大きい

大動脈弁狭窄症

だいどうみゃくべんきょうさくしょう

左心室から大動脈への出口にある大動脈弁、またはその周辺が狭くなり、左心室から血液を送り出しにくくなる病気です。軽症では無症状で心雑音のみのことがあります。狭窄が強い場合には、運動時の胸痛、息切れ、失神

肺動脈狭窄症

はいどうみゃくきょうさくしょう

肺動脈弁またはその周辺が狭く、右心室から肺へ血液を送りにくい病気です。軽症では心雑音以外に症状がないことが多いですが、狭窄が高度になると右心室に負担がかかり、息切れ、疲れやすさ、右心不全が起こることが

リウマチ熱

りうまちねつ

最初によくみられる症状は発熱と関節痛です。手首、ひじ、膝、足首、肩、股関節などの関節が熱をもち、赤く腫れて痛みます。関節炎は複数の関節を移るように起こることがあります。心臓の弁や心筋、心膜に炎症が起こ

ジフテリア

じふてりあ

のどの痛み、だるさ、発熱、のどの発赤・腫れなどで始まります。吐き気、嘔吐、頭痛を伴うこともあります。のどに灰白色で厚く、はがれにくい膜(偽膜)ができ、無理にはがすと出血することがあります。首のリンパ節