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いかいよう

胃潰瘍

症状と特徴

胃の粘膜が傷つき、粘膜下層以深に及ぶ潰瘍ができる病気です。みぞおちの痛み、食後の腹痛・胃もたれ、胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気、嘔吐などがみられます。ただし、症状の出方だけで胃潰瘍と十二指腸潰瘍を区別することはできません。出血すると、吐血、コーヒーかす様の嘔吐物、黒いタール状便、貧血、動悸、息切れなどが起こります。大量出血ではショックに至ることがあります。潰瘍が深くなると穿孔を起こし、突然の激しい腹痛や腹膜炎を生じることがあります。胃潰瘍そのものが通常そのまま胃がんへ変化するわけではありませんが、胃がんが潰瘍の形をとることがあるため、内視鏡検査や必要に応じた生検で悪性病変を除外することが重要です。

原因

主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌感染と、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs。アスピリン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクなど)です。低用量アスピリンなどの抗血小板薬も出血性潰瘍のリスクを高めます。ステロイド薬単独によるリスクは大きくないとされますが、NSAIDsとの併用、抗凝固薬・抗血小板薬との併用、高齢、潰瘍歴、重い基礎疾患などがあるとリスクが上がります。ピロリ菌感染は慢性胃炎、胃粘膜萎縮、胃潰瘍および胃がんのリスクに関係します。喫煙、過度の飲酒、重症疾患・手術・熱傷などによる強い身体的ストレスも、発症・悪化に関与しえます。

治療

内視鏡で診断し、出血があれば内視鏡的止血を行います。胃酸を強力に抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)またはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)を中心に治療し、必要に応じて粘膜保護薬などを併用します。ピロリ菌感染が確認された場合は、原則として除菌治療を行い、治療終了後4週以降(PPI・P-CABは通常2週間以上中止してから)に尿素呼気試験または便中抗原検査などで除菌判定を行います。一次除菌が不成功の場合は、薬剤を変更した二次除菌を行うことがあります。NSAIDsが原因または継続必須の場合は、可能なら中止・減量・別薬への変更を検討し、継続時にはPPIまたはP-CABによる潰瘍予防を検討します。食事は、痛みを起こす食品・飲酒を避け、少量ずつ規則的に摂ることは役立つ場合がありますが、ナッツ、根菜、いも類などを一律に禁止する必要はありません。禁煙、過度の飲酒を避けることも重要です。穿孔、内視鏡で止血できない出血、狭窄などでは外科的治療や放射線治療を要することがあります。

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