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きんし

近視

症状と特徴

遠くがぼんやりと見え、近くにあるものは比較的はっきり見える屈折異常です。近視は一般に、学童期から若年期に発症・進行しやすく、成人後は進行が緩やかになることが多いものの、進行が続く人もいます。めがねやコンタクトレンズで良好に矯正できる近視が大部分です。

病的近視(強度近視に眼底の病的変化を伴う状態)は、眼球が著しく伸び、網膜・脈絡膜などが薄くなって、視力低下、視野異常、黄斑部の障害などを生じることがあります。矯正しても視力が十分に出ないことがあり、近視性黄斑症、網膜剥離、緑内障などの合併症に注意が必要です。

原因

多くの近視は、角膜から網膜までの距離である眼軸が長くなることで焦点が網膜の手前に結ばれる軸性近視です。遺伝的素因に加え、屋外活動時間が少ないこと、近距離作業を長時間続けることなどが発症・進行に関連すると考えられています。近作業そのものが直接眼軸を伸ばすと断定はできませんが、近業時には適切な休憩と十分な屋外活動が推奨されます。

一時的な調節緊張(いわゆる仮性近視)により見えにくくなることがありますが、真の眼軸性近視とは区別して評価します。円錐角膜などで角膜の屈折力が変化する場合や、水晶体の状態による屈折性近視もあります。いったん伸長した眼軸を短く戻す治療は現時点では確立していません。適切なめがね使用が近視を進行させるという根拠はありません。

治療

眼鏡、コンタクトレンズで視力を矯正します。矯正の必要性や度数は、年齢、学校・仕事・運転などの日常生活、両眼視機能を考慮して眼科で決めます。過矯正・低矯正を自己判断で続けず、定期検査を受けます。

小児・若年者で進行性近視がある場合には、屋外活動時間を増やすこと、近距離作業で適度に休憩することに加え、低濃度アトロピン点眼、オルソケラトロジー、多焦点ソフトコンタクトレンズや近視進行抑制用眼鏡レンズなどが、進行抑制策として検討されます。効果や副作用、適応は方法ごとに異なり、完全に進行を止める治療ではありません。

成人では、適応があればLASIK、PRK、SMILEなどの角膜屈折矯正手術や、有水晶体眼内レンズなどが選択肢になります。ただし、角膜の厚さ・形状、近視の程度、ドライアイ、年齢、眼底疾患などによって適応外となることがあり、手術後にも近視の残存・再発、ハロー・グレア、ドライアイ、感染症などのリスクがあります。病的近視では眼軸伸長を止める目的の後部強膜補強術は一般的な標準治療ではなく、限られた状況で検討されます。

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