karada.me karada.me

くろーんびょう

クローン病

症状と特徴

口から肛門までの消化管のどこにでも、慢性の炎症が生じうる炎症性腸疾患です。とくに小腸末端部や大腸に多く、炎症は腸壁の深い層まで及ぶことがあります。下痢、腹痛、発熱、全身倦怠感、体重減少、食欲低下、血便・下血、貧血、腹部腫瘤などがみられます。深い潰瘍、縦走潰瘍、敷石状変化、狭窄、腸閉塞、穿孔、腹腔内膿瘍、腸管どうしや皮膚・膀胱などにつながる瘻孔、肛門周囲膿瘍痔瘻を生じることがあります。関節炎、皮膚病変、ぶどう膜炎、胆石、尿路結石などの腸管外合併症を伴うこともあります。若年者に多いものの、どの年齢でも発症します。

原因

原因は完全には解明されていません。遺伝的素因を背景に、腸内細菌、腸管バリア、免疫応答、環境因子などが相互に関与して、腸管の免疫反応が持続すると考えられています。喫煙はクローン病の発症・再燃・手術リスクに関連し、避けるべきです。

治療

現時点で完全に治す根治療法は確立していませんが、炎症を抑えて寛解を導入・維持し、腸管障害や手術を減らすことを目標に治療します。病変部位、重症度、狭窄・瘻孔の有無などに応じ、5-アミノサリチル酸製剤を一部の軽症例で用いることがあります。活動期には副腎皮質ステロイドを短期間用いることがありますが、寛解維持目的の長期使用は避けます。免疫調節薬(アザチオプリン、6-メルカプトプリン、メトトレキサートなど)、生物学的製剤(抗TNFα抗体、抗IL-12/23抗体、抗IL-23抗体、抗インテグリン抗体など)、経口低分子薬(JAK阻害薬など)が選択されます。抗菌薬は肛門周囲病変、膿瘍、細菌感染が疑われる場合などに用い、腸管病変すべてに routinely 使用するものではありません。経腸栄養は栄養状態の改善や病勢のコントロールに用いられ、食事は一律の厳格な低残渣食ではなく、活動期の狭窄や症状、栄養状態に合わせて調整します。禁煙が重要です。狭窄、腸閉塞、穿孔、膿瘍、瘻孔、大量出血、がん、薬物治療で改善しない病変では、腸切除、狭窄形成術、膿瘍ドレナージなどを行います。手術後も再発しうるため、継続的な経過観察と再発予防治療が必要です。

関連する病気

この病気に関連する病気

肛門周囲膿瘍

こうもんしゅういのうよう

肛門または肛門周囲に痛み、腫れ、発赤、熱感が生じ、発熱を伴うことがあります。座れない、眠れないほどの強い痛みや高熱となることもあります。膿瘍が自然に破れて排膿されると、一時的に痛みや腫れが軽くなること

痔瘻

じろう(あなじ)

肛門腺感染による肛門周囲膿瘍の後に、肛門内の感染部位と肛門周囲の皮膚がトンネル状の瘻管でつながった状態です。肛門周囲から膿や血性分泌物が出たり止まったりし、瘻管が詰まると腫れ、痛み、発熱が再発します。

ぶどう膜炎

ぶどうまくえん

虹彩、毛様体、脈絡膜に炎症が起こる病気の総称です。前部ぶどう膜炎では充血、眼痛、まぶしさ、かすみが多く、後部ぶどう膜炎では飛蚊症、視野のかすみ、視力低下が目立つことがあります。慢性化または再発により、

尿路結石

にょうろけっせき

腎臓から尿道までの尿路にできる結石の総称です。結石の場所により腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。血尿、側腹部痛、背部痛、排尿痛、頻尿、排尿困難などが起こり、尿管閉塞では強い疝痛発作や

がん

がん

がんの症状は発生部位と進行度により異なり、初期には無症状のことも少なくありません。しこり、出血、痛み、長引く咳や声のかすれ、飲み込みにくさ、便通・排尿の変化、治らない皮膚病変、原因不明の体重減少や強い

この病気を参照している病気

慢性胃炎

まんせいいえん

慢性胃炎は無症状のことが多く、健診や内視鏡検査で見つかります。みぞおちの不快感、胃もたれ、早期満腹感、食欲低下、悪心などを伴うことがありますが、これらは慢性胃炎に特有ではなく、機能性ディスペプシア、消

吸収不良症候群

きゅうしゅうふりょうしょうこうぐん

小腸などで栄養素を十分に消化・吸収できず、低栄養を来す状態の総称です。慢性下痢、脂肪便、腹部膨満、体重減少、倦怠感、筋力低下、むくみ、貧血、骨粗鬆症・骨折、出血傾向、しびれ、けいれん、皮疹などがみられ

後天性巨大結腸症

こうてんせいきょだいけっちょうしょう

巨大結腸症は大腸が異常に拡張する状態で、重い便秘、腹部膨満、腹痛、食欲低下、吐き気などを生じます。慢性的に経過する後天性巨大結腸症と、炎症性腸疾患や感染性腸炎などに伴って急速に悪化する中毒性巨大結腸症

肛門周囲膿瘍

こうもんしゅういのうよう

肛門または肛門周囲に痛み、腫れ、発赤、熱感が生じ、発熱を伴うことがあります。座れない、眠れないほどの強い痛みや高熱となることもあります。膿瘍が自然に破れて排膿されると、一時的に痛みや腫れが軽くなること

痔瘻

じろう(あなじ)

肛門腺感染による肛門周囲膿瘍の後に、肛門内の感染部位と肛門周囲の皮膚がトンネル状の瘻管でつながった状態です。肛門周囲から膿や血性分泌物が出たり止まったりし、瘻管が詰まると腫れ、痛み、発熱が再発します。

裂肛(切れ痔)

れっこう(きれじ)

歯状線より下の肛門出口に近い部分にできる裂創(皮膚・粘膜の裂け目)や潰瘍です。排便時から排便後にかけて強い痛みが生じ、少量の鮮血が便やトイレットペーパーに付くことがあります。痛みにより肛門括約筋が緊張

結節性紅斑

けっせつせいこうはん

主に両側のすねに、赤く熱感があり、押すと痛いしこりが複数生じます。太ももなどに出ることもあります。時間とともに色調が紫色から褐色・黄褐色へ変化し、通常は瘢痕を残さず数週間から2か月程度で軽快することが