karada.me karada.me

らんそうがん

卵巣がん

症状と特徴

卵巣は子宮の両側にある、女性ホルモンや卵子に関わる器官です。ここに生じる悪性腫瘍が卵巣がんです。初期には自覚症状が乏しいことが多く、進行してから見つかる場合があります。進行時には、腹部膨満感、腹囲の増加、下腹部痛・圧迫感、食欲低下、少量で満腹になる、頻尿、便通の変化、下腹部のしこりなどがみられることがあります。腹水がたまることもあります。不正性器出血は主症状ではありませんが、腫瘍の種類によってはみられることがあります。卵巣腫瘍がねじれる(茎捻転)または破裂すると、急激な強い腹痛を生じることがあります。卵巣がんは組織型が多様で、上皮性卵巣がんが大部分を占めます。境界悪性腫瘍は悪性腫瘍とは区別される、良性と悪性の中間的な性質をもつ腫瘍です。卵巣がんは主に閉経後に増えますが、若年者にも胚細胞腫瘍などが発生することがあります。病期は、卵巣・卵管に限局するI期から、遠隔転移を伴うIV期までに分類されます。

原因

原因が一つに決まるわけではありません。加齢、排卵回数に関連する要因、子宮内膜症(特に一部の組織型)、不妊、出産歴がないことなどとの関連が報告されていますが、これらがある人が必ず発症するわけではありません。BRCA1・BRCA2の病的バリアント、リンチ症候群などの遺伝性腫瘍症候群は発症リスクを高めます。家族に卵巣がん乳がん、膵がん、前立腺がんなどが複数いる場合は、遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査について専門医に相談することが勧められます。診断では、問診、内診、経腟超音波検査、CT・MRIなどの画像検査、必要に応じて腫瘍マーカー(CA125など)を組み合わせます。ただし、腫瘍マーカーのみで診断や検診はできません。

治療

治療は病期、組織型、年齢、全身状態、妊孕性(将来の妊娠希望)などを考慮して婦人科腫瘍専門医が決定します。基本は、可能な限り腫瘍を取り除く手術(腫瘍減量手術)と、プラチナ製剤・タキサン系薬剤を中心とする化学療法です。早期がんでは、病理診断と病期決定のために子宮、両側付属器、大網、腹膜などを評価・切除する手術が行われることがあります。限られた早期病変で妊娠を希望する場合には、条件を満たせば片側の付属器を温存する治療が検討されることがあります。進行がんでは、初回手術で完全切除が難しいと予想される場合、術前化学療法の後に手術を行うことがあります。BRCA1・BRCA2変異や相同組換え修復異常の有無などに応じ、PARP阻害薬などの維持療法が検討されます。再発時には化学療法、分子標的薬、症状を和らげる緩和ケアなどを病状に応じて組み合わせます。一般女性に対するCA125検査や経腟超音波検査による定期的な卵巣がん検診は、死亡率を下げる効果が確立していません。遺伝的高リスク者では、リスク低減のための卵管・卵巣摘出術などを個別に検討します。

関連する病気

この病気に関連する病気

腹部膨満感

ふくぶぼうまんかん

「おなかが張る」「おなかが重い」「ガスが多い」などと感じる状態です。腹部の見た目の膨らみを伴うことも、伴わないこともあります。げっぷ、放屁、腹痛、便秘、下痢、早期満腹感を伴う場合があります。

腹部のしこり

ふくぶのしこり

腹部のしこりは病名ではなく、腹部臓器、腸管、血管、腹壁などに由来する所見です。腹部大動脈瘤、肝臓・腎臓・卵巣などの腫瘍や嚢胞、消化管腫瘍、便やガスの貯留、炎症性腫瘤などで触れることがあります。小児では

不正性器出血

ふせいせいきしゅっけつ

月経時以外に性器から出血することです。少量の出血、茶色・ピンク色のおりもの、性交後の出血、月経が長引く・頻回になることなども含まれます。原因は、排卵の異常による出血のほか、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫、

胚細胞腫瘍

はいさいぼうしゅよう

頭蓋内胚細胞腫瘍は松果体部や鞍上部(下垂体・視床下部付近)に発生することが多く、胚腫(ジャーミノーマ)を含む複数の腫瘍型があります。水頭症による頭痛・吐き気、眼球運動障害、視力・視野障害、尿崩症、成長

子宮内膜症

しきゅうないまくしょう

本来は子宮内腔を覆う子宮内膜に似た組織が、主に骨盤内の腹膜、卵巣、子宮の表面、腸管や膀胱の周囲などに生じ、慢性炎症や癒着を起こす病気です。代表的な症状は、次第に強くなる月経痛、月経時以外の骨盤痛・下腹

コレラ

これら

コレラ菌による急性の腸管感染症です。日本では海外渡航後の輸入例が多く、国内発生はまれです。潜伏期間は数時間から5日程度で、典型例では米のとぎ汁様とも表現される多量の水様下痢と嘔吐が急に起こります。発熱

乳がん

にゅうがん

乳がんは乳房にできる悪性腫瘍で、多くは乳管から発生する浸潤性乳管がんや非浸潤性乳管がんです。小葉から発生する小葉がんや、乳頭・乳輪部に湿疹様の変化を生じるパジェット病などもあります。乳房のしこりで気づ

がん

がん

がんの症状は発生部位と進行度により異なり、初期には無症状のことも少なくありません。しこり、出血、痛み、長引く咳や声のかすれ、飲み込みにくさ、便通・排尿の変化、治らない皮膚病変、原因不明の体重減少や強い

前立腺がん

ぜんりつせんがん

本文には詳細な記載はなく、699頁(がん)の参照が示されています。

遺伝カウンセリング

いでんかうんせりんぐ

病気そのものではなく、遺伝や遺伝学的検査に関する不安・疑問を相談する医療支援です。本人や家族の遺伝性疾患、染色体異常、先天異常、家族性腫瘍、発症前診断、出生前検査、遺伝学的検査の結果などについて相談で

がん

がん

がんの症状は発生部位と進行度により異なり、初期には無症状のことも少なくありません。しこり、出血、痛み、長引く咳や声のかすれ、飲み込みにくさ、便通・排尿の変化、治らない皮膚病変、原因不明の体重減少や強い

この病気を参照している病気