karada.me karada.me

せんてんせいしんしっかん

先天性心疾患

症状と特徴

先天性心疾患は、生まれつきの心臓や大血管の構造異常の総称です。頻度はおおむね出生100人に約1人です。病型により、心雑音のみで無症状のことから、哺乳不良、発汗、呼吸が速い、体重増加不良、心不全、皮膚・粘膜が青紫色になるチアノーゼまで、症状はさまざまです。チアノーゼ性心疾患では、右左シャントや血液の混合により動脈血の酸素濃度が低下します。非チアノーゼ性心疾患では、主に左から右への短絡により肺血流増加や心臓への容量負荷を生じます。

原因

胎児期の心臓・大血管の発生過程で生じる構造異常によります。多くは単一の原因では説明できず、遺伝的要因、染色体異常、母体の病気や妊娠中の環境要因などが複合して関与すると考えられています。家族内発症や特定の症候群を伴う場合には、遺伝カウンセリングが検討されることがあります。

治療

病型と重症度に応じて、経過観察、薬物療法、カテーテル治療、外科手術を選択します。新生児期に血流の維持が必要な重症心疾患では、プロスタグランジン製剤で動脈管を開存させながら緊急治療を行うことがあります。治療後も、不整脈、弁の障害、心機能、肺高血圧、発達や運動などを長期にわたり専門医と確認します。感染性心内膜炎の予防的抗菌薬は、すべての先天性心疾患に一律には必要ではなく、高リスクの病態・処置に限って歯科処置時などに検討されます。

関連する病気

この病気に関連する病気

心不全

しんふぜん

心不全は単一の病名ではなく、心臓のポンプ機能や拡張機能の異常により、全身が必要とする血液を十分に送り出せない、または心臓に血液がうっ滞する臨床症候群です。左心不全では息切れ、起坐呼吸、夜間の呼吸困難、

染色体異常

せんしょくたいいじょう

人には通常、22対の常染色体と1対の性染色体があります。染色体の数の増減(異数性)や構造の変化(欠失、重複、転座など)がある状態を染色体異常といいます。症状は異常の種類や程度により大きく異なり、発達の

遺伝カウンセリング

いでんかうんせりんぐ

病気そのものではなく、遺伝や遺伝学的検査に関する不安・疑問を相談する医療支援です。本人や家族の遺伝性疾患、染色体異常、先天異常、家族性腫瘍、発症前診断、出生前検査、遺伝学的検査の結果などについて相談で

不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

感染性心内膜炎

かんせんせいしんないまくえん

心臓の内面を覆う心内膜、特に心臓弁に細菌や真菌が感染して炎症を起こす病気です。発熱、悪寒、倦怠感、寝汗、体重減少、息切れ、動悸、新たな心雑音または心不全症状がみられます。弁にできた感染性の塊(疣贅)が

この病気を参照している病気

肺高血圧症

はいこうけつあつしょう

初期には動作時の息切れ、疲労感、動悸などがみられます。進行すると胸痛、めまい、失神、むくみ、腹部膨満などが現れ、右心不全に至ることがあります。症状は非特異的で、喘息、心不全、貧血などと区別が必要です。

不整脈

ふせいみゃく

心拍のリズム、速さ、または電気刺激の伝わり方に異常がある状態の総称です。動悸、脈の乱れ、脈が飛ぶ感じ、胸部不快感、息切れ、めまい、失神などが起こることがありますが、無症状の場合もあります。安静時心拍数

心房粗動

しんぼうそどう

心房内の一定の大きな電気回路(リエントリー)により起こる頻拍性不整脈です。心房は通常毎分約250〜350回興奮し、心室にはその一部が伝わるため、比較的規則正しい頻脈となることが多いですが、伝導比が変化

房室ブロック

ぼうしつぶろっく

心房から心室へ電気刺激を伝える房室結節、ヒス束、脚・プルキンエ線維のいずれかで伝導が遅れたり途絶えたりする状態です。Ⅰ度房室ブロックは伝導が遅れるのみで、通常は無症状です。Ⅱ度房室ブロックでは一部の電

WPW症候群

だぶりゅーぴーだぶりゅーしょうこうぐん

生まれつき、心房と心室の間に房室結節以外の電気的な通り道である副伝導路(副伝導路)がある状態です。電気信号が副伝導路を通って早く心室へ伝わると、心電図でデルタ波などの早期興奮所見がみられます。副伝導路

感染性心内膜炎

かんせんせいしんないまくえん

心臓の内面を覆う心内膜、特に心臓弁に細菌や真菌が感染して炎症を起こす病気です。発熱、悪寒、倦怠感、寝汗、体重減少、息切れ、動悸、新たな心雑音または心不全症状がみられます。弁にできた感染性の塊(疣贅)が

心肥大

しんひだい

心肥大は、主に心室の心筋が厚くなる心筋肥大を指すことが多く、高血圧や弁膜症などに対して心臓が負荷に適応した結果として起こります。心臓全体が大きく見える心拡大とは必ずしも同じ意味ではありません。初期には

慢性心不全

まんせいしんふぜん

心機能の低下または心臓の拡張障害が長期に続く状態です。左心不全では労作時息切れ、呼吸困難、起坐呼吸、夜間の咳や喘鳴、動悸がみられます。右心不全では全身の静脈うっ血により下腿浮腫、体重増加、腹部膨満、食

心臓突然死

しんぞうとつぜんし

心臓突然死は、予期しない心臓の原因による急激な死亡を指します。定義には研究・統計上の差がありますが、目撃された場合には症状出現からおおむね1時間以内の死亡として扱われることがあります。多くは心室細動や

エブスタイン病

えぶすたいんびょう

先天性の三尖弁異常で、主に中隔尖および後尖が右心室側へ偏位し、三尖弁逆流や右心房の拡大を生じます。程度は大きく異なり、無症状で成人まで経過する人もいます。息切れ、運動耐容能低下、動悸、不整脈、チアノー

肺動脈狭窄症

はいどうみゃくきょうさくしょう

肺動脈弁、右心室流出路、肺動脈本幹・枝などが狭くなり、右心室から肺への血流が妨げられる病気です。狭窄の部位と程度により症状は異なります。軽症では無症状で心雑音から発見されることがあります。中等度から重

肺動脈閉鎖症

はいどうみゃくへいさしょう

肺動脈弁または右心室から肺動脈への流出路が閉鎖し、右心室から肺へ血液を送り出せない先天性心疾患です。心室中隔欠損を伴う型と、心室中隔欠損を伴わない純型があります。出生後に動脈管が閉じ始めると肺血流が減

肺動脈弁閉鎖不全症

はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう

肺動脈弁が十分に閉じず、拡張期に肺動脈から右心室へ血液が逆流する病気です。軽症では自覚症状がないことが多い一方、長期に高度の逆流が続くと右心室が拡大し、息切れ、運動耐容能低下、動悸、不整脈、右心不全を

染色体異常

せんしょくたいいじょう

人には通常、22対の常染色体と1対の性染色体があります。染色体の数の増減(異数性)や構造の変化(欠失、重複、転座など)がある状態を染色体異常といいます。症状は異常の種類や程度により大きく異なり、発達の

ターナー症候群

たーなーしょうこうぐん

低身長、翼状頸、胸郭の特徴、むくみ、卵巣機能低下による思春期の遅れ・乳房発育不全・無月経などがみられます。先天性心疾患(大動脈縮窄、大動脈弁の異常など)、高血圧、腎・尿路の形態異常、難聴、甲状腺疾患、

ダウン症候群

だうんしょうこうぐん

筋緊張低下、特徴的な顔貌、発達の進み方のゆるやかさ、知的発達の個人差などがみられます。先天性心疾患は約40~50%にみられ、消化管の先天異常を伴うこともあります。難聴、視力・屈折異常、甲状腺機能低下症

その他の染色体異常

そのたのせんしょくたいいじょう

13トリソミー症候群、18トリソミー症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、18p欠失症候群などがあります。症状や予後は染色体異常の部位・大きさ・モザイクの有無により大きく異なり、発達の遅れ、先天性心

フロッピー・インファント

ふろっぴー・いんふぁんと

フロッピー・インファントは病名ではなく、乳児の筋緊張が低く、からだがだらりとして見える状態(筋緊張低下)を表す総称です。抱き上げたときに手足や体幹がふにゃっとする、頭が支えにくい、首や腰のすわりが遅い

心室中隔欠損症

しんしつちゅうかくけっそんしょう

左右の心室を隔てる心室中隔に穴があり、通常は左心室から右心室へ血液が流れます。小さな欠損では心雑音のみで無症状のことが多く、自然閉鎖することもあります。欠損が大きい場合は肺への血流が増え、乳児期から呼

心房中隔欠損症

しんぼうちゅうかくけっそんしょう

右心房と左心房を隔てる心房中隔に穴があり、通常は左心房から右心房へ血液が流れます。小児期には無症状のことが多い一方、欠損が大きい場合は右心系や肺血流への負担が生じます。未治療のまま成人期に至ると、動悸

動脈管開存症

どうみゃくかんかいぞんしょう

胎児期に大動脈と肺動脈をつないでいる動脈管が、出生後も閉じずに残る病気です。通常は大動脈から肺動脈へ血液が流れ、肺血流が増加します。開存部が小さい場合は連続性心雑音のみで無症状のことがあります。大きい

ファロー四徴症

ふぁろーしちょうしょう

心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室流出路狭窄(肺動脈狭窄を含む)、右心室肥大を主な特徴とする先天性心疾患です。右室流出路狭窄が強いほど、右心室から左心室・大動脈側へ血液が流れやすくなり、チアノーゼが強くな

大血管転位症

だいけっかんてんいしょう

大動脈が右心室から、肺動脈が左心室から出る形態異常で、肺循環と体循環が並列となります。心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存などを通じた血液の混合が不十分だと、出生直後から強いチアノーゼ、呼吸促迫、哺

大動脈縮窄症

だいどうみゃくしゅくさくしょう

生まれつき胸部大動脈の一部が狭く、全身、とくに下半身へ流れる血液が不足する病気です。重症例では新生児期に頻脈、多呼吸、哺乳不良、体重増加不良、冷たい下肢、尿量低下などが現れます。動脈管が閉じる時期に全

先天性風疹症候群

せんてんせいふうしんしょうこうぐん

妊娠中の風疹感染の影響により、生まれた赤ちゃんに先天性心疾患(動脈管開存症など)、白内障・網膜症などの眼の異常、感音性難聴がみられることがあります。発育不良、発達の遅れ、小頭症、肝脾腫、血小板減少によ